「BEWITCHINGTALE」、「BEWITCHINGFELL」

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「BEWITCHINGTALE」 第1話

「第1話」



花のいい匂いがする。

どうやら花が衝撃を抑えてくれたようでどこもけがをしてはいない。


手探りで辺りを触る。棒状のものを見つけた。

少し触って確かめる。木の棒だ。


丁度いい木の棒を頼りにつついてみる。

壁を見つけた。壁に手を当て進んでいく。


ドアらしきものを潜り抜けた先には…


「やぁ!僕はフラウィー!お花のフラウィーさ!君は…もしかして目が見えないの?」


頷く。陽気そうな花のフラウィーは見えない事をいい事に不気味な顔を見せる。


「なるほど…更にこの地下世界の新入りでもある。よーし!僕がこの世界の生き方を教えるね!」


そしてハートが現れる。そんな感じがした。


だが、この時ノイズが現れ、景色が変わる。




気づいたら懐かしい、バタースコッチシナモンパイの匂いが漂っていた。どうしてだろう。さっきまではフラウィーがいたのに。


「どうしたの?ボーッとして?さぁバタースコッチシナモンパイが出来たわよ!」


この声はトリエル…?そうか、あのあとトリエルが助けて…それで…



トリエルが自分の手を優しく包みパイに導いてくれる。それを口に含んだ。


…とても、美味しい。美味しかった。



「美味しかった?…とても嬉しいわ」


頷くと頭を撫でられた。とても心地よい。


そして部屋へ一緒に歩く。そして…眠った。

「BEWITCHINGFELL」第1話 遺跡編

「第1話 遺跡編」



赤。赤く染まった空を見る度に気分はどんよりとしてしまう。


「ここは…」


辺りを見回す。少し変な光景が目の前に広がる。不意にどこからか声が頭に響いてきた。



「この世はな、殺るか殺られるかだ」



恐ろしい言葉。身体が震える。だけどここを出ないと変わらない。


この世界はそんな言葉をそのまま表したような、狂気に満ち溢れていた。




「君は…?」


「花…?」


進んだ先にはボロボロの花がいた。

花は怯えている。自分が怖いのか。

「ひっ!やめて殺さないでお願い…!」


殺すなんて出来ない。それを伝える。


「本当に…?君は優しいんだね」


「僕はフラウィー。…君はもしかして目が悪いのかい?目元が酷いよ…?」


汗と共に困惑した。そんなに酷いのか。



「大丈夫。君と一緒に行く。僕が、君の目になるよ」




「…ありがとう。フラウィー」




フラウィーを肩に乗せて隠しながら歩いていく。すると現れたのは…




「あなたは…可哀想に…落ちてきたのね。大丈夫よ、私はトリエル。あなたを守ります。殺してでも…ね」




羊のようなモンスターが現れた。トリエルと言ったモンスターを見たフラウィーはとても怯えている。


「怖がらなくても大丈夫よ?ほら、こちらにいらっしゃいさあさあほら!!」




手を握られ早足で進んでいく。





遺跡を進んで家に入っていく。

漸く離された手はとても痛く熱い。教えてもらった部屋に入ってフラウィーと相談する。



「あの人は出会ったモンスターを焼き殺すんだ…このままだと殺されてしまう…どうするの??」



「…」





答えは簡単だ。自分は戦う事を望まない。停戦を臨もう。そう決意した瞬間。




「…!!」



今いる場所が部屋のベッドだったからよかった。だが、部屋が、フラウィーが決意をした途端ぐちゃぐちゃに映って、気持ち悪くなる。



「ああ…大丈夫…?変なのが見えるの?ねぇ…お願い…目を…開けてくれよ……」




そのまま意識を離した。






ーーーーーーーーーーー







「……私の決意が欲しい?」



「そう、君の決意があれば私の実験は上手くいくのだよ、○○○」


「…」



「つまり、私の目に宿った決意を奪うと」


「なに、決意をとろうが失敗しようが、構わない。副作用が残るがね」



「断ると言ったら…?」


「…断る…ねぇ…ふーむ、…拒否権はないんだがね…?」



「あ…やめろ!触るな!やめろぉぉぉおおおお!!!!」





ーーーーーーーーーーー




「やめろぉぉぉおおおお!!!!」



なんて酷い悪夢だろう。汗が酷い。フラウィーも声に驚いてこちらを見ている。


「あ……ごめん、驚かせたね…」



「う、ううん。でも魘されてたみたいだった。」



この声に反応したのか開かれるドアが。



「大丈夫!!?酷い声が聞こえたから誰かに殺されたのかと…私が…ついていながら…我が子よ…」



駆けつけたトリエルに抱きしめられる。だが、たてている爪が肌を食込んでとても痛い。とても苦しい。思わず涙がこぼれる。


「…帰りたい…」



思わず帰りたいという本音が出てしまう。トリエルはそれを聞いて顔を強ばらせた。



「帰りたい…??何を言ってるの!!?外は酷いのよ!!?!?ここにいなさい!!!!」



トリエルは怒り、外へ出てしまう。それを見たあと追いかけた。地下への階段をフラウィーと部屋にあったパイと共に。





「貴方は、どうして言うことが聞けないの!!?…そんなにお仕置きをして欲しいのかしら…お望みどおり灰になりなさい!!!これもあなたの為なのよ…我が子よ…!!!」



怒りと悲しみが混ざったおどろおどろしい姿のトリエル。停戦を試みようとしたがその決意が邪魔をする。背景諸共不思議な色とトリエルがもっとおぞましく見えてしまうのだ。唯一炎の魔法は正常に映るのが救いである。



とても熱い。本当に熱い。トリエルの炎は容赦なく振るわれた。避けるのに精一杯ではあったが、それでも戦う事を拒んだ。



「もう…やめてよ…こんなの望んでいない…家に帰りたいだけなんだ…」



「…そう…じゃあ、死になさい」




身体が燃える。そして、なにかが壊れるのを感じた。



「…」


目覚めたのは家の前。




何度でも立ち向かえと、決意を抱けと言うのだろうか。幻惑がそれを許さない。



「ああ…また、立ち向かうのね…」



フラウィーも隠れているのだろう。早く行かなくては。



「また、なの…?これ以上手加減が出来ないのよ…」



「…闘いたくない。どうして、そんなに闘わなくてはならないの?」



「…それは…この世界が、殺るか殺られるかの世界だから。あなたをここから出してしまえば、貴方はアズゴア達に殺されてしまう。あなたの為を思っているのよ我が子よ…」



トリエルは泣き崩れた。それをゆっくりと近づき抱きしめる。


「ごめんなさい、でも、外は…本当に恐ろしい地底の世界。ここからはモンスター達には…気をつけて…」




扉は、開かれた。






「BEWITCHINGFELL」

「BEWITCHINGFELL」プロローグ

あるモンスターの王はこう言った。


「この世は殺るか殺られるかだ」


全てのモンスターがそれに乗っ取り破壊を楽しむ様になった地下の世界で1人の人間が落ちてきた。



その人間は落ちた衝撃からか幻惑を見てしまう様になった。それは精神の働きによって深く変動していくもの。

人間は決意を抱いた。その決意によって幻惑作用は強まっていった。


心優しい人間は無事に荒んでしまった地下の世界で生き延びる事は出来るのだろうか。





「BEWITCHINGFELL」






登場人物



ニンゲン(フリスク)

目に謎の幻惑作用のあるニンゲン。慈悲の心を持ち争いを好まない。寝ると幻惑が夢に出てしまうため不眠症を患っている。後に貰う1つの小さな鐘を付けている。


フラウィー

他のモンスターに虐められているとても優しい花。ニンゲンの慈悲に触れ、ニンゲンと一緒に地上を目指す。ニンゲンの目として導いていく。




シアト(???)

スノーフルの森で警備しているスケルトン。赤黒のボロボロの服を身にまとっている。遺跡から現れたニンゲンに最初は殺意を抱いていたが次第に興味を示す。名前は偽名らしい…?



ピプレーセ(????)

シアトの弟。通称レーゼ。あまり仕事しない兄に苛立っている。戦闘能力は高く、ニンゲンに全力で襲いかかる。料理が得意だが、あまり振る舞われることは無い。ピプレーセもシアトと同じく偽名らしい…?


トリエル


落ちてきたニンゲンをあなたのためといい保護(幽閉)させるべく行動していた。ヤンデレ度が少し高い。カタツムリが好物だが普通にパイ等は作れる。シアトとは扉越しに情報を共有してる程度の仲。


アンダイン


王国騎士団(ロイヤルガード)の隊長。片目をアズゴア王にやられている。かなりの戦闘能力を有しているが子供には優しい。ニンゲンには殺意を抱いてるが慈悲を受け変わる。だが…


アルフィー&メタトン


アルフィーは王立研究員。だが、過去に何かあったのか精神がおかしくなってしまい落ち着かせる為に薬を飲んでいる。ニンゲンには協力的だが果たして…

メタトンは精神がおかしくなったアルフィーによって作られたが、何かある度にアルフィーから虐待を受けている。その為メタトンも殺人衝動が強くニンゲンに容赦なく襲いかかる。だが、ニンゲンの慈悲に触れ理解に苦しむ。



アズゴア


地下世界の王にして「殺るか殺られるか」のモットーを提案した張本人。殺意が他のモンスターの比にもならない。かつて妻と子供がいたそうだが…




随時更新していきます。