「BEWITCHINGTALE」 第1話
「第1話」
花のいい匂いがする。
どうやら花が衝撃を抑えてくれたようでどこもけがをしてはいない。
手探りで辺りを触る。棒状のものを見つけた。
少し触って確かめる。木の棒だ。
丁度いい木の棒を頼りにつついてみる。
壁を見つけた。壁に手を当て進んでいく。
ドアらしきものを潜り抜けた先には…
「やぁ!僕はフラウィー!お花のフラウィーさ!君は…もしかして目が見えないの?」
頷く。陽気そうな花のフラウィーは見えない事をいい事に不気味な顔を見せる。
「なるほど…更にこの地下世界の新入りでもある。よーし!僕がこの世界の生き方を教えるね!」
そしてハートが現れる。そんな感じがした。
だが、この時ノイズが現れ、景色が変わる。
気づいたら懐かしい、バタースコッチシナモンパイの匂いが漂っていた。どうしてだろう。さっきまではフラウィーがいたのに。
「どうしたの?ボーッとして?さぁバタースコッチシナモンパイが出来たわよ!」
この声はトリエル…?そうか、あのあとトリエルが助けて…それで…
トリエルが自分の手を優しく包みパイに導いてくれる。それを口に含んだ。
…とても、美味しい。美味しかった。
「美味しかった?…とても嬉しいわ」
頷くと頭を撫でられた。とても心地よい。
そして部屋へ一緒に歩く。そして…眠った。