「BEWITCHINGFELL」スノーフル編その2
「BEWITCHINGFELL」スノーフル編その2
目が覚めると目に付いたのはぐにゃぐにゃのソファ。そして涙を流して泣きついてきたフラウィーと、ハッキリ映るシアトだ。
思わず戸惑っているフリスクにシアトは答える。
「何故ここにいるのか分からないって顔だな。お前が気絶したからここに運んだんだ」
気絶していたのかとフリスクは思う。
フラウィーを撫でて立ち上がろうとするが、思うようにはいかない。
「おっと。気をつけろよ、下手したらまた死ぬからな」
シアトに腕を掴まれ体勢を戻してもらう。フリスクは軽くペコッとお辞儀した。
「あ、ありがとうございます…」
「かしこまらなくてもいいぜ。気軽に話しかけてくれよ。お前、確かフリスクといったな?そこの花が言ってたからな」
「う、うん」
「ふー、怖いか?俺が、俺達モンスターが怖いか?」
「…」
フリスクは不安と恐怖と戦っていた。地上に出る際にここを抜けなくてはならないからだ。フラウィーはフリスクを励ます。
「大丈夫だよ、フリスク。僕がサポートするから」
「ありがとう、フラウィー」
「行くのか?」
「うん。ここまでありがとう。地上に、帰らないと」
「ちょっと待て」
シアトはポケットから1つの小さな鐘を取り出した。それをフリスクにかける。
「お守りだ、俺も同じやつ持ってるんだ。何となく落ち着くだろ?」
小さな鐘は美しい音を放つ。フリスクは少し幻惑が和らいだ様な気がするのを感じる。
「ありがとう」
外に出て先へ進む。その先には何があるのか分からないが、きっと大丈夫だと信じる。
「あっ!あれは!」
進んだ先には先程の長身のスケルトンが。
「ここを通るのか…?軟弱なニンゲンよ」
「…はい。地上に帰るために。だから、通して貰いたいです」
「ほう、お前、本当の命知らずなのか…ならば俺を倒してからにするんだな!!俺はお前を捕らえてじっくり殺す!!」
フリスクは身構えた。フラウィーは隠れながらも見ている。
「来るよ…!」
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「で、捕まったのか」
「うん…」
結果、死なない程度にされ閉じ込められてしまった。…それはカレージのような所だった。
「やっぱりここから出られないのかなぁ…」
「あー……そうだ、俺がなんとかしてやる」
「ほんとに?」
シアトは頷く。
「これからのあのボスみたいな強大なモンスター達は俺がなんとかしてやる。だが、それだけだ。後はお前達で進めよ」
シアトはフリスクの頭を撫でながら小屋の鍵を開ける。
「じゃあ、行くか」
お互いの鐘の音が小さく鳴った。